以前「人間の脳は10%も使われていない」と言われることがあって、人間のさらなる可能性を期待していたことを覚えています。
真偽はともかくとして、この「脳の10%神話」は、今では科学的に否定されている意見が多く、都市伝説として扱われていたりします。
余談はさておき、私は動ける体を追求して様々なボディーワークをするようになって、体の性能も同じことが言えるのではないか、と思い始めました。
「人間の体(の性能)は10%も使われていない」というのは、さすがに言い過ぎかもしれませんが、昔の人類は、ウサインボルトより速く走っていたと言う研究者もいますし、武術の達人や剣豪の逸話も数多く存在します。
また、皆さんご存知の「火事場の馬鹿力」という言葉もあります。火事の時に家具を抱えたまま脱出したという逸話から、追い詰められたときに普段では想像もできないような力を発揮することの例えとして使われます。
おばあちゃんが家の大きなタンスを担ぎ上げて持っていっちゃうんですから、ぶっとびです(汗)。
これは、普段のときには眠らせている体のリミッターが外れた状態とも言えます。もともと人間には自分たちが想像もできないような身体能力が備わっていますが、100%の能力を使ってしまうと、筋肉や関節、靭帯が耐えられないので、本来の2、3割位(適当)の力しか出せないように制御していると思われます。
しかし、モノの性能というのは、車のエンジンのように、定期的にある程度のレベルで使ってあげないと、いざという時に、錆びついて本当に使えなくなってしまうものです。
現代人は、デスクワークや現代的な身体の使い方によって、体本来の機能を封印してしまっています。
そこで、体の材料選びや、ボディーワークを通じて、体の使い方を見直し、無理をせずに、体本来の性能をある程度引き出し、発揮できるようにさせて、快適な状態を保てるように導いていくのが私の役目です。
これによって、普段の慢性的な身体の悩みが解決できたり、機能的な美しい体を手に入れることもできます。
何より体自身が喜んでくれるはずです。せっかく持っている、与えられた機能ですから。